旅の心得 その一

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十数年ぶりにアメリカ本土を旅行してきました。調べてみたら前回は2005年でした。ニューヨークとボストンをめぐるメジャーリーグ観戦の旅です。当時は移転したばかりのファイターズの実況を担当していました。本場の空気を知っておきたいとヤンキースタジアム、フェンウェイパーク、シェイスタジアムのホームゲームの他に3Aの試合も見に行きました。さらにレンタカーでNY郊外のクーパーズタウンまで足を伸ばし野球殿堂博物館とダブルデイフォールドでも高校生の試合をみることができました。この時の話もまた尽きないので別の機会に語ります。

さて、今回から数回にわたっては「旅の心得」というタイトルで旅で得た教訓を語っていきます。みなさんの次の旅への参考になれば幸いです。旅にはトラブル、アクシデントがつきもの。それを楽しむぐらいの心の余裕を待てれば、旅は充実したものになります。

その一は「何が起きても慌てない、怒らない」です。

アメリカへはデルタ航空を利用しました。フロリダ州オーランドへは日本からの直行便がないのでデトロイトで乗り継ぎです。私は基本的に個人手配で旅行をします。今回もエアとホテルをそれぞれ手配し、ケネディ宇宙センターやWDWのチケットも別にネットで購入しました。できるだけ安い航空券を選んだ結果、乗り継ぎが2時間と結構ギリギリです。それでもデトロイトのターミナル内は移動がスムーズとわかっていましたし、同じデルタ航空での乗り継ぎなので心配はしていませんでした。

しかしトラブルは思わぬところにあります。羽田空港を出発する直前にそれは起きました。搭乗が終わりドアが閉まって出発の準備が整った直後でした。私の席の前方にいた乗務員が突然大きな声で他の乗務員に指示を出し、マイクを持ってこう言ったのです。

「お客さまの中にお医者様、あるいは看護師など医療従事者はいらっしゃいませんか?急病人が発生しました」

ドラマや映画で見るあの光景です。英語と日本語が混じり合って言葉が飛び交います。どうやら乗客の一人が喉を詰まらせ苦しんでいるようです。すると、私の2列前のアメリカ人男性が立ち上がり向かいました。医療関係者のようです。機内は比較的落ち着いていました。大きな声を上げる人もいませんでした。結局、無事に患者とその家族は飛行機を降りることができました。ただ出発は大幅に遅れました。3時間近くの遅延となりました。さてここで大事なのが旅の心得です。何が起きても慌てない、怒らない。この時に妻と交わした言葉です。

「離陸前でよかったね」

離陸後だったら救命措置も遅れていたかもしれません。羽田に引き返すことになっていたでしょう。トラブルが起きても、その時の対処、対応がベストであれば慌てる必要はありません。ましてや感情的になってはいけません。乗り継ぎできなくても何とかなります。予定が大幅に変更になっても旅の一部なのです。それも含めて楽しむぐらいの余裕を旅の準備として持っておきたいものです。

結局私たちの乗り継ぎはどうなったでしょうか。さすがアメリカ3大航空のデルタです。飛行中に機内Wi-Fiを通じてスマホにお知らせがきました。「遅延をお詫びいたします。当初の乗り継ぎ便に間に合わないため、次の便を手配しました」患者への協力に感謝する言葉とともにちゃんと対応をしてくれていました。ちなみに私の航空券はいちばん安いエコノミークラスでした。アメリカへの旅は次回もデルタを選ぼうと思います。

今回はここまで。読んでいただきありがとうございます。次回もお楽しみに。


“旅の心得 その一” への1件のコメント

  1. […] 今回の旅では心得その一で語ったようにスタートで躓きました。私のプランBは「目的地は変更せず内容を短縮する」でした。「NASAとスターウォーズのアトラクションがあるWDWハリウッドだけは諦めない。そのほかは諦める。ただし空いた時間は有効に使う」です。準備としては移動をより自由にするためレンターカーを使えるように国際免許証を発行しておきました。結果としてはプランAで無事に旅を終えることができました。そのほかクレジットカードは2枚持つ。ロストバゲージ対応で機内持ち込みに着替えは1組入れておく。通信手段は2つ用意しておく(基本はESIM、docomoの国際ローミングをサブ)などです。 […]

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