ファーム

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20年ほど前にアメリカへ野球観戦に行きました。当時ヤンキースにいた松井秀喜とマリナーズのイチローの試合が目的でした。同時にアメリカの野球観戦文化の広さを知りたくて独立リーグの試合も見に行きました。マンハッタンから川を渡ったニューアークに小さな球場がありました。規模こそ小さいのですが雰囲気はボールパークです。場内実況のラジオブースがあってFM放送で中継しています。売店にはオリジナルのグッズが並んでいます。簡易なものでしたがビジョンもあり、場内の様子をカメラで写していました。イニングの合間にはファン参加のゲームがグランドで繰り広げられます。今ではファイターズのエスコンで行われている様々な演出の原点はアメリカでは数十年前からあったのです。

ようやく日本のプロ野球でもこういった観戦文化が広がってきました。それは一軍だけでなくファームと呼ばれる二軍の球場でもです。先日実家に帰省した時に一日時間ができたので阪神タイガースの試合を見に行きました。二軍の試合が平日デイゲームで尼崎にできた新しい球場であったのです。これまで阪神の二軍は鳴尾浜にありました。尼崎に移転して大物駅のすぐ近くに「ゼロカーボン・ボールパーク」という名前で今年オープンしたのです。平日の昼間にもかかわらずスタンドは8割ほど埋まっていました。

この球場の面白いのは甲子園と同じグランドサイズで方角も同じというところです。名物の浜風も同じように吹いていました。まさにファームです。一軍の甲子園で活躍できる選手を育てる場所というはっきりとしたコンセプトでつくられています。この日は北海道出身の門別投手が先発でした。交流戦に向けて一軍昇格間近のテスト登板です。見事好投して一週間後に甲子園で先発し勝利しました。一軍で活躍していたベテラン選手も若手に混じって調整しています。ファームもシーズンを通して優勝争いをしますが、それが目的ではありません。あくまで一軍が優勝することが目標です。選手も怪我や好不調がある中で球団の総合力をあげるため、また中長期の戦略の中で次世代を育てることがファームの目的です。ですからファームのグランドにはそれぞれの人間ドラマが描かれていきます。

コラッキー(トラッキーの子供キャラ)がイニングの合間に出てきてパフォーマンスをしたり、小さいながらもオリジナルグッズを売る売店があったり、ビールの売り子もいて球場の雰囲気はアメリカで見た独立リーグを思い出させるものでした。ますます日本の野球場ではこういった取り組みが増えていくでしょう。ファームもお客さんに見られてナンボです。プロですから。球団経営もファームであれ集客によって選手もファンも育てていくことが求められていきます。北海道はファイターズのエスコン戦略が成功しています。次はファームをどうするか。一部報道では鎌ヶ谷からの移転の話がありました。一軍とに軍が阪神電車で数駅の近さにあるタイガースの状況を見てみると、そう遠くない日にファイターズも動き始めるのではと私は感じています。

今回はここまでです。読んでいただきありがとうございました。また次回をお楽しみに。


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