まちさんぽ


知らない街を歩いてみたい♪なんていう歌がありましたっけ。一定年齢以上の人しか知りませんね。街を歩くことで知らない場所を知るのは旅の楽しみです。同時に自分の住んでいる街を歩くのもまた発見があるものです。ちょっとしたことで、新しいものを見つけることができます。それは視点を変えることです。〇〇視力を上げることです。例えば欲しい服があったらファッション視力を上げてみるのです。街を歩く人たちやショーウインドウのマネキンが自然と目に入ってきます。今回は防災視力を上げてみたお話を語ります。

千歳でまちさんぽ

6月の半ばに千歳で防災イベントが開かれました。日本に住む外国人と地元の日本人で一緒に防災を考えるイベントです。「にほんごサポート北海道」の主催で、私は日本語教師&防災士の立場でお手伝いしました。やさしい日本語で千歳の防災を考えるというテーマでお話をしました。メインイベントは「まちさんぽ」です。グループに分かれて外国人と日本人が一緒に街を歩きます。ミッションはAEDや公衆電話など災害時に役立つものがどこにあるか見つけることです。

多文化共生

参加してくれた外国人は技能実習生や特定技能の人、北大の留学生などです。日本語のレベルはまちまちです。単語を並べるのがやっとという人から流暢な人まで。それでもお互いに優しい気持ちで易しく日本語で話せば通じます。これが「やさしい日本語」の目的です。言葉の技術ではなく、心構えのあり方です。相手の立場になって考えてみることです。「防災」つまり命を守るためにどうすればいいのか。国、地域、性別、年齢などの違いはあれど共通の目的があれば、お互いを思いやることができます。

日本語は共通語

私が参加したグループにはモンゴルとインドネシアの男性がいました。一緒に千歳市内の工場で働いています。母国語はモンゴル語、インドネシア語です。お互いの母国語ではコミュニケーションが取れません。彼らの共通語は日本語です。そしてイベント中も私たちの会話は日本語です。共通語は英語とは限りません。地元の日本人の参加者もそのことを実感してくれたと思います。

人は話す言葉によって、考え方や価値観が変わるという研究もあります。世界に数多ある言葉の中で日本語はどんな考え方や価値観を生むのでしょうか。今や世界の多くの人が関心を持つ日本文化の背景には言葉があります。日本文化を知ることは日本語を知ることでもあります。日本語の根底にはお互いを思いやる文化があります。言葉にならない言葉です。日本に暮らす様々な背景を持つ人が日本語でやさしく繋がることができたら良いと思います。

今回はここまでです。最後まで読んでいただきありがとうございます。また次回をお楽しみに。


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