みやながたり

日本語で世界をつなぐ アナウンサー、日本語教師、落語家、活弁士の宮永真幸のホームページ


世界のはじまり

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人類の歴史は700万年まえのアフリカから始まったと言われています。立って、歩き、道具を使い進化してきました。歩く、走る、跳ぶ、そして投げる。肉体の進化と共に脳が発達して今の私たちの姿があります。近代は道具を進化させることで、人間の能力を外部拡張化しています。車や飛行機を発明し、今や脳の外部拡張化が進み、その最先端が生成AIです。
だからこそ、人間が人間であることの原点、アスリートの姿に一層惹かれるのです。そんな話を語ります。

世界陸上を国立競技場に見に行ってきました。34年ぶりの日本開催です。2020東京オリンピックがパンデミックで無観客となりました。世界最高峰の人類の肉体の競争を生で観戦できる機会です。見逃すわけにはいきませんでした。しかも北海道出身のアスリートが出場するのです。旭川出身の女子やり投げ北口選手と小樽出身の男子短距離の小池選手です。二人とも望んでいた結果には届きませんでした。しかし、現地で他の競技も含めて観戦するとその凄さ、尊さがわかりました。

テレビで見るのとは全く違う世界が、そこにありました。超人たちの祭典です。アスリートたちが、フィールドやトラックに姿を現した瞬間に空気が変わります。その姿そのものが輝いているのです。競技が始まると、さらに雰囲気は一変。人間がこんなにも速く、こんなにも高く、こんなにも遠くへと力を発揮できるのかと驚くばかりです。テレビのキャスターがこの世界陸上で「地球に生まれて良かったあ!」とコメントして話題になったことがありました。実際に生で目の当たりにすると、その気持ちがよくわかります。この舞台に立っているだけで、どれだけ凄いことか全身で感じました。まして前回大会で優勝した北口選手が、どれだけ素晴らしい選手かということがよくわかりました。逆に生で観戦していなければ実感できなかったでしょう。

人類が人類であることをシンプルに表現する。その限界に挑み、超えていく。肉体の能力を極限まで引き出す姿は、何の言葉もいらない美しさにあふれています。世界陸上もオリンピックと同じく国、地域別の代表選手として集まっています。しかし、競技においてどの国が勝った負けたはありません。ただアスリート個人が自分の限界と闘っているのです。フィニッシュ後に掲げられる国旗はアスリートからの感謝の気持ちだと感じました。環境を整えてくれた人たちへの感謝の象徴としての旗です。決して国のために闘っているのではありません。

生成AIやVR、ARといった技術が進めば進むほど、生身の人間の魅力は増していくのだと確信しました。個性はより際立ち、一人一人の存在がより尊いものになっていくでしょう。国や宗教、主義主張といった集団では括りきれない社会の多様化が進みます。自らの肉体表現によって互いを認め合う。そんな時代になっていくことを感じた世界陸上でした。

今回はここまでです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。また次回をお楽しみに。これからもよろしくネ♪


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