このホームページを立ち上げたのがちょうど1年前でした。セカンドキャリアを具体的に考えるタイミングでした。あと一年で定年退職をむかえます。サラリーマン・アナウンサーとしてのキャリアも残り1年です。その先を見据えて、私なりのチャレンジをした2025年でした。ブログはそういった諸々を思考と共に記録しておくツールです。また今後の活動を広げるための下地づくりでもあります。「みやながたり」の2025年を語っておきます。

2025年で大きな変化は、日本語教師の仕事を始めたことです。副業が認められ、10月から北海道の日本語学校で週に一回ですが授業を持っています。5カ国15人の留学生に初級レベルの日本語を教えています。二十四ならぬ”三十の瞳”に向き合う時間は刺激的です。日本語教師の資格を3年前(2022年冬)に取得しました。その勉強の過程で得た教える知識はありましたが、教える経験は全く違いました。授業はライブです。学生の皆さんとの生きたやりとりが本当に楽しいです。このブログにもいくつかのエピソードを語りました。教える、教わるのではなく一緒につくっていくのが教育だと実感しています。
今、様々な課題が出ている日本の教育界です。そのほんの隅っこに座っただけですが、自分ごととして考える様になりました。一つ挙げるとするなら先生はとにかく忙しいです。授業準備だけでもやることがたくさん、考えることがたくさんです。週一の非常勤講師の立場でも実感できます。労働環境の改善は(報酬面も含めて)喫緊の課題でしょう。これはエッセンシャルワーカー全体に言えることです。

本をたくさん読んだ一年でもありました。日本語教育や言語学、言葉に関する硬軟取り混ぜた本を幅広く読みました。セカンドキャリアを見据えて、ビジネス本も気になったものを幅広く読みました。積ん読はもちろん身になりませんが、読むだけでもダメなこともわかりました。実践に落とし込んで初めて理解できるんですね。日本語学校の現場でよくわかりました。「腑に落ちる」という言葉の通り、身体経験を伴わないとダメなんです。ビジネス面ではこれからです。

この一年の生成AIの進化と浸透は凄まじいものがありました。あっという間に日常に生成AIが入ってきました。否応なく生成AIでつくったものを生活の中で目に耳にする世界に変わった年です。そして程なく意識することなく生成AIが当たり前にある日常が始まります。
私も仕事で普通に活用するようになりました。作業効率はものすごく上がります。資料や定型文の作成はあっという間です。その分、考える時間が増えました。生成AIが出したものをベースに思考する時間です。このブログでも実験的に作った文章や詩を紹介しました。制作の過程では対話がベースになります。生成AIから私への問いかけがあります。それに答える思考の時間が生成AI時代の大きな価値だと感じました。これまでは結果がものをいう時代でした。出来上がったものの評価です。しかし成果物は生成AIがあっという間につくってしまいます。〇〇風の動画も音楽もソフトも。価値はそこにありません。創作物という結果よりも、どのように思考して(AIと対話して)作られたものなのかという過程に価値がシフトしました。そんな天動説から地動説に変わるような価値の変化があった一年です。ただ本当にそれがわかるのはもう少し先のような気もします。

私が身を置くテレビメディアも今年は大きな節目の年でした。オールドメディアと定義された年です。同じ業界の人でもオールドメディアと呼ばれることを嫌がる人が結構います。でも私は前向きに捉えています。音楽でいうオールディーズであり、クラシックです。いいじゃないですか。
日本でテレビが一般に普及したのはたった60年ほど前です。1964年の東京オリンピックが大きなきっかけと言われています。そのうちの35年を私は中で過ごしてきたわけですね。ちょっと怖いです(笑)すぐに居間にテレビがあって、勝手に情報が流れてくる生活が当たり前になりました。出かけなくても世界中の出来事を知ることができる様になりました。人が得る情報量は劇的に増えました。音声と映像では情報量が格段に違います。しかも共通の情報を多くの国民が共有する環境が出来上がりました。当然、価値観や考え方に影響を与えます。高度経済成長期からバブルまでは社会形態にマッチしたメディアでした。しかし、2000年代に入り個人メディアが普及していきます。主役はインターネット、スマホ、SNSへと変わりました。すでにオールドメディアになっていたテレビがフジテレビの問題をきっかけに、立ち位置を認識したのが今年だと私は思っています。その過程ではっきりとテレビメディアの良い所と悪い所が炙り出されました。こんなチャンスはありません。悪い所がはっきりしたのです。それらを切除して良い所を大事にしていけばいいのです。グッドオールディーズとして社会に貢献できるのです。

こうして振り返ると来年から(つまり明日から)の未来の輪郭が見えてきます。キーワードはライブ、身体経験、過程の価値です。タイパやコスパとは真逆の価値です。オールドメディアもじっくり時間をかけて自らの身体で取材をし、過程もライブで見せながら良質な情報を提供することが価値を相対的に高めることになるはずです。
私は言葉を発する身体表現を通して、思考の過程が滲み出るような成果をライブでつくっていきます。アナウンサー、日本語教師、落語家、活弁士、防災士の「みやながたり」をどうぞよろしくお願いいたします。

今回はここまでです。最後まで読んでいただきありがとうございました。来年もよろしくネ。


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