旅の心得 その五

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旅先の街が魅力的かどうかは、そこに住んでいる人を見ると分かります。住み心地の良い街では人々はご機嫌です。そして自分達の街を誇りに思っています。もちろん日常から離れたリゾートで過ごすのも悪くありません。ただ合間でもいいので地元の空気を感じてみるのが私の旅の心得です。その五は「暮らすように旅してみる」です。

今回泊まったホテルから車で10分ほどのところにスーパーやファストフードが集まった場所がありました。一週間の旅のうち1日をこの周辺で過ごしました。地元の人は郊外の住宅街から車で買い物に来ています。私たちの移動はライドシェアです。リゾート地とはいえ、地元の人が乗る車は高級車ではありません。半分以上はトヨタやホンダの普通車でした。価格も手頃、丈夫で長持ち燃費もいい。一般の人が求めるものは日本と変わらないことが分かります。日本でいうと軽自動車の感覚でしょう。

スーパーに並んでいるものを一通り見て回ります。円安なので日本円に換算してしまうと高いのですが、生鮮食料品など生活必需品は良心的な価格です。空港の売店では6ドルほどするペットボトルの水も、スーパーでは安く売っていました。現地の物価感覚を知るのに参考になるのがマクドナルドです。よく物価指標でも使われますがビッグマック一個の値段です。一角にあるマクドナルドで朝食をとりました。ビッグマック一個の値段は7ドルでした(2025・1月)。約1100円です。日本では480円ですから2倍以上です。店内にはクルー募集のポスターが貼ってありました。日本でもそうですが、時給の最低賃金の参考になります。時給14ドルでした。2200円ほどです。北海道の最低賃金が1010円ですから、こちらも2倍です。こうしてみるとアメリカも標準的な生活レベルとしては日本と変わらないことが肌感覚で分かります。

買い物に来ていた夫婦が値段を見て「オー!マイ・・・」とため息をついているものがありました。卵です。値段をみると4ドルを超えていました。「一人1パック限り」と貼ってあります。こちらも鳥インフルとかで不足しているのでしょうか。日々の買い物に苦労する姿は変わらないと、ある意味親近感が湧きました。

「暮らすように旅してみる」

一日、あるいは半日でも地元の暮らしの中に入ってみると見えてくるものがあります。現地だけではなく今の日本の姿も見えてきます。もちろん表面的な一部分でしかありません。それでも旅先で肌で感じたものは自分の糧になります。

今回はここまで。読んでいただきありがとうございます。また次回です。


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