旅の心得 その十

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「そうだ。京都行こう」あなたも知っているでしょう。有名なキャッチコピーです。ウィキペディアによると1993年から始まったJR東海のキャンペーンです。30年以上たった今でも人の心を掴む秀逸なコピーです。旅の本質を捉えています。日常の仕事に追われていると「どこか行きたいなあ」と思います。逃げ出したいな、離れたいなという欲求です。私も常に思っています。ちょっと話がそれますがSPORTSの語源を知っていますか。ラテン語のdeportareです。他の場所に移すという意味です。「port」港から「de」出ていく。週末のJリーグやプロ野球の観戦、応援さらに自分でするスポーツも日常から離れるという欲求を満たす旅とも言えるのです。

「かわいいい自分に旅させよ」

旅の心得その十。このシリーズ最終回の心得です。かわいい子ではなく自分に旅をさせるのです。旅は非日常です。日常である母港を離れるのです。かわいい自分だからこそ出てみるのです。知らない世界を見ることで新しい自分を発見するのです。あるいは忘れていた自分、隠れていた自分を見つけることができます。今回のアメリカ・フロリダ旅行ではたくさんの学びがありました。宇宙やロケットの世界に憧れていた子供の頃の自分が記憶の奥からグググっと顔を出してワクワクした気持ちとキラキラした目で楽しみました。それは「そうだ。NASA行こう」と決めた瞬間から始まりました。

行こうと決めた時に旅は始まるのです。

私の旅はホテルや航空券など自分で手配します。その準備も旅の楽しみだからです。今はネットで個人手配のサービスがあります。大学生時代の南米旅行の準備では、チリの飛行機を予約するのに都内の小さな代理店の事務所に直接行きました。ホテルやバスの移動は日本からは予約できませんでしたし、情報もありませんでした。もちろん大手旅行代理店に頼めば手配してくれましたが、そんなお金はありません。現地についてから地元の小さな旅行会社を訪ねて手配をしました。旅行費用を稼ぐバイトの時間も含めて旅は自分を逞しくしてくれました。

人々がスポーツや旅に惹きつけられるのは本能的な欲求でしょう。人類はグレートジャーニーによって進化してきたのです。つまり旅は生きるために必要なのです。かわいい自分に旅させましょう。

さあ何処へ行きましょうか。

今回はここまで。読んでいただきありがとうございました。次回からは別のテーマで語ります。お楽しみに。


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