エナジー

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またスターウォーズの話からで恐縮なのですが、フォースという不思議な力が出てきます。選ばれた人だけが使える力です。物を動かしたり、心を操ったり、予測をしたりする力です。物語ではフォースを良い方に使う人たちと悪い方に使う人たちとの戦いを描いています。良い悪いの価値は立場から見た正義によります。フォースは現実の世界でいうとエネルギーだと思います。電気自動車のレース、フォーミュラEを見てきました。今回はエネルギーについて語ります。

簡単にいうとF1の電気自動車版がフォーミュラEです。まだスタートしたばかりの自動車レースです。しかしITの進歩と合わせて急速に技術が発達しています。当初は時速200kmだった最高速度も数年で320kmになりました。最大の特徴は静かで排気ガスを出さないことです。都会の真ん中でレースができます。F1と同じく世界各地を転戦して年間チャンピオンを決めますが、都市開催が多いのです。東京は去年2024年に初めて開催され今年2回目です。

実際に目の前を走る姿を見てみるとその静かさに驚きます。鈴鹿でのF1とは全く違うスピード感です。スタンドとコースの近さもあるでしょう。映画トロンやアキラの疾走感(わかる人にはわかる)近未来感があります。ガソリンエンジンのレースと比べる人もいますが、全く別のモータースポーツエンタテインメントだと私は感じました。電気自動車の性能と可能性の高さをエンタメとして広めるには有効なチャレンジです。同時にエネルギーについて考えるきっかけにもなりました。

いま世の中は電化に向かっています。主な理由とされているのは環境問題です。広く一般的にわかりやすい説明です。街中を走るたくさんの車はハイブリッド車が普及したとはいえ、ほとんどがガソリン車です。排気ガスを出します。二酸化炭素です。これが地球温暖化の要因だとされています。電気自動車は排気ガスを出しません。だから環境にやさしいとされています。ここでちょっと立ち止まって考えてみます。その電気エネルギーはどうやってつくるのでしょうか?

福島第1原発事故まではあまりにもエネルギーについて無頓着でした。台所の蛇口をひねれば水が出てくるのが当たり前のように、コンセントに繋げば電気が使えるのも当たり前だと思っていました。しかし食べ物と同じで、誰かが作っているから受け取ることができるのです。食べ物と同じで、水も電気も誰がどうやって作っているのかに関心をもつことで安心が得られます。

当たり前ですが電気をつくるのにもエネルギーが必要です。電気は形としてどこかに埋まっている物ではありません。石油を加工するガソリンとは違います。何かのエネルギーを電気に変える必要があります。日本では風力や太陽光も広がってきましたが、主に火力発電です。火力ですから二酸化炭素を出します。電気エネルギーがどれほど環境にやさしいのかは、そこまで遡って考えた方がいいでしょう。

フォーミュラEという電気自動車の最高峰エンタメがどう成長していくのか楽しみです。生成AIの進化を見ていると自動車の世界も10年で風景が変わっているかもしれません。レース会場に併設されていたメーカーのブースには消防車やフォークリフト、ショベルカーなど働く車も展示されていました。私たちの日常生活も同じく10年で一変するはずです。その過程で大事なのはエネルギーがどうやって作られているのかも含めて見ることです。

電気エネルギーというフォースをどう使うのか。方向を間違えればダークサイドに落ちてしまいます。その方向を決めるのは人間がもつエナジー、情熱なのでしょう。

今回はここまでです。読んでいただきありがとうございました。また次回をお楽しみに。


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