名監督、野村克也さんの言葉です。長嶋茂雄さんがヒマワリならば野村さんは月見草だと自分を例えました。お二人とも天に召されました。今は、にこやかにキャッチボールをしているかもしれませんね。月見草の表現はライバルがいることのありがたさを表したのだとも言われています。長嶋さんは太陽で、野村さんは月。太陽があるからこそ、月も輝けるということでしょう。その野村さんが負けるには必ず原因があるのだと言います。たまたま勝つことはあっても、たまたま負けることはないのです。今回は負けについて語ります。
禅問答のようですが、自分達が勝った試合でも、なぜ相手が負けたのかを知ることが大事なのだと思います。負けから学ぶことが強さにつながるのです。この言葉を思い出したのは阪神タイガースの優勝インタビューでの藤川球児監督の言葉を聞いたからです。史上最速での優勝です。圧倒的な強さでした。しかしシーズンの前半は連敗もありました。その後連勝で挽回して波にのった今シーズンです。インタビュアーから「11連勝もありました。いけると思ったのはいつですか?」というような質問がありました。答えを誘うような聞き方でしたが、藤川監督は「連敗した時に、負けが怖くなくなったところからです」というような返事をしたのです。(阪神ファン仲間とお酒を飲みながら見ていたので、正確ではありません。すいません)
その答えを聞いて、藤川監督は野村イズムを受け継いだ名監督になると思いました。彼が阪神入団時の監督が野村克也さんです。当たり前のことを当たり前に徹底して行う「凡事徹底」も野村さんの言葉で、藤川監督が今年、選手たちに伝えた言葉です。そして「不思議の負けなし」も、しっかりと藤川監督の中に生きた言葉として刻まれていました。負けが込んだ時に、なぜ負けたのかを冷静に分析して勝つための方策を見出せたから強くなれたのです。
人の営み全てが勝ち負けになるわけではありません。勝つことに絶対的な価値もありません。しかし負けた自分を、弱い自分を認めることには大きな価値があると思います。それは勇気のいることです。その勇気を持てた時に、強くなれるのです。そのことを藤川監督、野村克也さんに改めて教えてもらった阪神の優勝でした。
今回はここまでです。最後まで読んでいただきありがとうございました。次回をお楽しみに。これからもよろしくネ♪
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